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学会概要

会長ご挨拶

片桐 恭弘

2021年4月より会長を拝命しました.理事として研究大会開催に関わらせていただいてから幾許か年月が経ちました.その間にも学会は着実に成長を続け,若手研究者そして外国人研究者の活躍が顕著です.ここまで学会の発展を支えてきた方々の意を継いで微力ながら努力いたします.

2020年,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)によって世界は一変しました.未知の感染症拡大による社会不安,ロックダウン・外出制限による人々の孤立化と生活の変化,さらには経済の停滞.日本では欧米と比較すれば感染拡大は小規模にとどまりますが,中国はもちろんのこと,台湾,シンガポールなどと比べても感染拡大封じ込めに成功したとは言い難い状況です.ワクチン開発の遅れやワクチン接種のスピード欠如においても日本の国力の低下を世界的に印象付けることとなりました.

二十一世紀の世界は,米中欧の三大勢力を軸として,多様性・多文化共生・民主主義を標榜する人々と、単一性・国家主権・権威主義を主張する人々の対立が深まると予想されています.社会言語科学研究に携わる我々にも国際社会の一員としての自覚と発信力が問われています.

COVID-19によってオンライン会議,オンライン授業が当たり前となり,コミュニケーションの容態から仕事の進め方まで大きく変容しました.合理性と効率性を追求するコミュニケーションの理性的側面と,ふれあいや共感を求めるコミュニケーションの情動的側面との拮抗と調和という課題が新たに表面化してきたとも言えるでしょう.否応なしにやってきたこのデジタル・トランスフォーメーションは,言語研究者にとっても社会的価値の高い新しい研究領域を提供しています.

言語・コミュニケーションは,人間・文化・社会を構成する中核です.社会言語科学会が,その課題の解明のために,開かれた情報交換と建設的な議論の場となることを目指して皆で力を合わせて歩みましょう.

2021年4月