- 日時:
- 2025年9月6日(土)10:00-12:00
- 場所:
- 上智大学四谷キャンパス2号館
- 〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
- JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線/四ッ谷駅 麹町口・赤坂口から徒歩5分
- https://adm.sophia.ac.jp/jpn/campus_kengaku_ad/kengaku_yotsuya/
スチューデント・ワークショップの受付はありませんので、直接各部屋にお入りください。
参加費用:無料
第1室 自己語りの機能:学術的展開の可能性を探る
- 会 場
- 402教室
- 責任者
- 山本由実(同志社女子大学)
- 司会者
- 稲葉皐(大阪大学大学院)
- 発表者
-
稲葉皐(大阪大学大学院)
岸田月穂(大阪大学大学院)
重久理奈(大阪大学大学院)
山本由実(大阪大学大学院、同志社女子大学)
李恒聡(大阪大学大学院)
本スチューデント・ワークショップでは、様々な場面で行われる自己語りが人と人とのやり取りの中でどのように機能しているのかを多角的に探ることを目的とする。「自己語り」とは自分自身について語る営みであり、1990年代から社会学の諸分野を中心に理論的検討がなされてきた(小林・浅野, 2018)。相手との関係性や社会文化的規範、メディアの枠組みによって異なる様相を見せる自己語りについて5つの報告を通して議論する。各報告で扱うデータは、恋愛リアリティショーのトーク、短歌、友人同士の会話、インタビューやオンラインコミュニティでの談話と多岐にわたる。これらのデータを扱った報告から、自己語りは単なる個人の表現ではなく、関係性の中で意味を持ち、共感の構築や社会文化的規範の(不)可視化などの役割を持っていることが明らかになった。自己語りが果たす社会的・相互行為的な機能について今後、更なる研究の広がりが期待される。
第2室 多様なジャンルにみられる社会的・文化的コンテクスト
- 会 場
- 403教室
- 責任者
- 小谷日和 (関西学院大学大学院)
- 司会者
- 難波彩子(関西学院大学)
- 発表者
-
小谷日和 (関西学院大学大学院)
池田祐実 (関西学院大学大学院)
安藤璃子 (関西学院大学)
胡井琢磨 (関西学院大学)
平田初夏 (関西学院大学)
「ことばの民族誌」(Hymes, 1964)は、談話と文化の両面から言語と文化の関係性を再考した点で大きな意義がある(松木, 2003)。「ジャンル」はこの枠組みを構成する一要素として位置付けられ、社会に埋め込まれた社会的・文化的コンテクストに基づくコミュニケーション実践の諸相を提示することが可能となる。このような視点を踏まえ、本ワークショップでは、(1)京都着物伝統産業のビジネス会話、(2)大学生の初対面多人数会話、(3)男女に分類されない性を自認する日本人へのインタビュー、(4)日本のテレビ広告、(5)欧米社会における日系音楽アーティストの楽曲歌詞、という5つの多様なジャンルを取り上げ、各ジャンルに関わるコミュニティの構成員によるコミュニケーション実践を特定し、それらの実践にどのような社会的・文化的コンテクストが関連しているのかについて、各ジャンル分析から考察する。
第3室 学習・遊び・語りに見られる演技的発話と相互行為
- 会 場
- 404教室
- 責任者
- 王嘉成(大阪大学大学院)
- 司会者
- 王嘉成(大阪大学大学院)
- 発表者
-
乾友紀(大阪大学大学院)
王嘉成(大阪大学大学院)
戎芸(関西学院大学大学院)
本発表では、会話参加者が演技的発話を用いて、学習、遊び、語りといった多様な場面で相互行為を成し遂げる実践について明らかにする。セッション1では、学習者同士が経験談を演じることで語彙や言語現象の理解を深め、共感や同意を引き出す様子が示された。セッション2では、子どもたちがごっこ遊びの中でジェンダー表現を使い分けながら役割を演じ、参与者と共有する実践と養育者によって示される言語使用における規範との拮抗を分析する。セッション3では、語り手が演技的発話を用いて物語を展開し、特定の人物に対するイメージを作り上げ、物語の面白さを際立たせる目的が達成される過程が分析された。これらの事例を通して、人々が演技的発話を用いて自身の持つ様々な物事に対する認識または立場を表し、会話参与者と共有している諸相を明らかにする。
第4室 会話分析のアプローチから見る社会的行為としての「語り」
- 会 場
- 405教室
- 責任者
- 李雅琪(名古屋大学)
- 司会者
- 李雅琪(名古屋大学)
- 発表者
-
李雅琪(名古屋大学)
坂尾結衣(京都大学)
川田優花(日本女子大学)
張麗(関西学院大学)
松永遥花(日本女子大学)
人々はしばしば自分の経験や出来事を語る。語りがどのように展開していくのかは、語り手と聞き手の相互行為の中で交渉される産物である。本ワークショップでは、語り手と聞き手それぞれのふるまいに注目し、相互行為の展開の中で、語りが形作られていく過程を会話分析の手法を用いて分析する。各発表では、①語りにおける参与者間の認識に関わる質問―語り手による「~知ってる?」の使用、②英会話練習における試行標識(try-marker)の使用と語りの展開、③ネガティブな語りにおける「まあ」と“you know”の使用、④、第三者への不満に対する聞き手の成員カテゴリー化装置を用いた反応、⑤「形容詞の感動詞的使用」といった現象を観察する。以上、語りが形作られていく過程を分析することによって、人々がどのように語りを「理解してもらう」、「理解する」のかを明らかにする。